武蔵美×朝鮮大 「突然、目の前がひらけて」


武蔵美×朝鮮大
突然、目の前がひらけて
をみにいってきた

塀越しに隣り合う両校の塀に
橋を架ける、というプロジェクト
両校の学生と卒業生からなる制作委員会
という名前の実態は
なんとたったの6人

それぞれの大学に掛け合って
橋の架設及び展覧会を開催した
運営費はクラウドファンディングで募り実現したそう
その6人が、展示作家でもあり
それぞれの展示室を橋がつないでいる

朝鮮大学校は、日本で唯一の
在日朝鮮人の民族教育が行われている大学水準の教育機関
ただ文部省の認可はおりてない
文化祭さえ今は非公開の全寮制
閉ざされた塀の向こう側
そこに、橋を、架けた

塀の高さは2m
橋を架けたからこそわかる
その塀の厚さはたった5cm

日本と韓国、北朝鮮
日本人と在日朝鮮人
自分と他者
自分と世界
境界線とはなんだろうか

メンバーのひとりが最近よく話をする友人で、
とても丁寧に準備をしてきたことを聞いていた
学長を案内したのち、どこだかの取材を受けて、
やっと空いた彼女とあれこれ話している最中に
どこだかの新聞社から電話がかかってきた
忙しさや賛否両論にまみれながら
言葉を尽くしている彼女を見ながら胸が熱くなった

「死ぬほど大変だった」
と言っていた
そうだろうと思う
倒れないようにね、と伝えたけれど
すぐに、
終わったら、倒れてもいいよ
と言い直した
「そうですよね」
と、笑っていた

なにを見出だすのか、
そこでなにがみえるかは、
人によるだろうと思う
帰り際、橋の上で塀をまたいで
むこうとこちらで楽しそうにはしゃぐ
朝鮮大の生徒の笑い声を聞いた

他者とわかりあうことはできるだろうか
という永遠の問いに
こたえることはできそうにないけれど、
想像することはできる、としたい
橋を架けることは希望である
と、今の私は思う

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とても楽しそうだった

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私はどこにいるんだろう

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彼女がつくったアンケート用紙をみながら
いかに真摯にこのプロジェクトに向かい合ってきたか、
どれほどの対話を
大学、国境、アイデンティティ、他者、自分、
さまざまな境界線を越えてされてきたのか
垣間見たような気がした

※私個人のFacebookにあげた記事を転載
彼女がこれを読むかはわからないけれど
タブーとされるところに
果敢に立ち向かった友人に拍手を送りたい