昨日よりはじまりました、新しい展示です
川村陽平展 ー日々を描くー
2016.3.2(水)〜 3.20(日)
川村さんの描く風景画はどこまでも清々しく
だれの心の中にもあるだろう”ある日のこと”が生々しく蘇って来るようで
現実と想像と理想をゆったりとかきまぜてくれるような
でもどこまでも軽やかで
ほんとうの意味で帰ってきた、というような、そんな気にさせられます
「描ききらないからだと思います」
私がそう言うと、おだやかな彼は静かにそう言いました
ほとんど描いてないところもあるんですよ
というか描いてない方が多いかもしれない
でもきっと、視線ってそういうことですよね
近くでみるとそれはたしかに絵で、しかもそんなに筆はのせていないようにみえるのに、
だけど少し離れると、それはもうそっちの世界に行ってしまうんじゃないかと思うほどの臨場感
人間の視点の種明かし、のような、そんな心地
だからこそやたらに浮き上がって来るのでしょう
全部をみなくていい、ぼんやりとしていていい
みるところがわかる安心感と共に
ゆったりとみていられる、いつまでもみていられる
川村さんは現在、武蔵野美術大学の大学院生で、日本画を専攻しています
彼の描く日本画もとてもすばらしいのですが、
今回はこの水彩での風景画での展示をおねがいしました
「もももを森にしてほしい」
少し前にそうお願いして、
困ったようにはにかんで、
「はい」と答えてくれました
ぜひ、ご覧頂きたいと思います